右人差指切断により後遺障害11級に認定された事例(名古屋地裁平成25年2月7日判決)

■事案概要

被災者は、自動車部品製造会社に勤務し、勤務先の工場内で、パイプ曲げベンダーを使用して作業中に、同機械に右手の人差指をはさまれるという労災事故にあいました。

 

本件労災事故によって、右手人差指の切断手術を受け、約3か月後に症状固定となり、右手人差指切断の後遺症が残存したため11級と認定されました。

■裁判所の判断

裁判所は、本件の機械は、労働者の身体の一部を挟む恐れのあるものと認められるから、会社は、労働安全衛生規則147条1項に従い両手操作式あるいは感応式の安全装置を取り付ける等の必要な措置を講じる義務があったというべきであると判断しました。

 

裁判所は、後遺障害等級11級の後遺障害に対して、損害として、後遺障害慰謝料(200万円)、後遺障害逸失利益(約444万円)を認めるのが妥当と判断しました。

 

そして、被災者が、本来であれば右手でスイッチを押すべきところを左手でスイッチを押してしまったことなどを考慮すれば、被災者の過失は2割であると認定し、過失相殺がなされました。