機械と柱との間に挟まれ死亡するに至った事故で、労災保険給付とは別に3800万円の損害を賠償する内容の和解が成立した事例

事案の概要

被災者は、工業製品を製造する工場に勤務する労働者でした。

本件労災事故は、研修後まもない時期であったことから、被災者が機械の操作に不慣れであったところ、恒常的に安全マニュアルが遵守されていなかったと思われる職場環境で、機械と柱との間に挟まれ、死亡するに至った事故です。

弁護士に依頼した理由

業務中の事故であったことから、死亡労災事故として労災保険は問題なく給付されたが、使用者側が被災者の落ち度が大きいとして、労災保険でカバーされない損害の賠償を拒否したため、弁護士に依頼されました。

弁護士のコメント

被災者が死亡して事情が聴取できない中、聞き慣れない特殊な機械であったことから、本件労災事故がどのようにして発生したのか、どこに使用者側の問題があったのかを突き止めるのが難しく、訴訟手続きを通じて、使用者側に情報を開示させるとともに、使用者側の責任を厳しく追及しました。

訴訟手続きの結果、労働者の過失を2割程度とすることを前提に、労災保険給付とは別に3800万円の損害を賠償する内容の和解が成立しました。

訴訟には年月を要しましたが、被災者の過失の程度は小さいものとして評価されたことの意義は大きいといえます。